SHIPメンバーがいつもとは少し違う雰囲気の衣装で出てきた。スポーティな感じの、春先に向けて爽やかなイメージの衣装だ。
いつもならできるだけフラットな心境で歌やダンスを見ることにしているのだが、今回は違っていた。前日からの観光気分で、すっかり酒田のノンビリした雰囲気に癒されてしまっており、ついつい彼女たちに感情移入してしまいそうになった。
そんな思いからなのか、歌はいつもより上手く聞こえ(実際、上手くなっているのだが)、多少、音を外すくらいは気にならなくなっていた。
オリジナル曲には工夫も見られたし、ここ何度か見たライブの中では一番の出来だったように思われる。
しかし、やはりカバー曲を歌っているときは、声の強弱や抑揚というのがあまり無く、まだまだ本当の意味での“カバー”とは言えないだろう。歌詞をよく読み、自分なりに解釈し、オリジナルとは違った部分を強調したり、オリジナルとは違った感じの抑揚をつけるなど、「自分ならこう歌う」という表現をして初めて“カバー”と言えるのではないだろうか。
また、表現力の勉強をするためにも、同じ曲調のものばかりを歌わず、バラード調の曲を増やしてみても面白いかも知れない。『笑顔』は他の曲に比べれば、割とテンポが遅めで雰囲気のある曲だが、もっとスローテンポの曲にもチャレンジしてほしい。
『笑顔』といえば、今回は歌詞の一部を中国語に変えて歌うといった演出があり、聴き応えがあった。また、やはり自分たちの曲であるという自負があるのか、オリジナル曲を歌っているときは、他の曲のときよりもグッと圧力というか、パワーが増したように感じられた。他にそう思った人がいたかどうかは分からないが、メンバー一人一人に自信が感じられたのは確かだった。
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