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次代に継ぐために(1)

次代に継ぐために(2)

 

 

 


最上川スワンパーク その後、『まちづくりサロン』を後にし、フラフラと考え事をしながら最上川河口の『スワンパーク』まで歩いて行った。
 眺めのいいところに行こうと思ったからだが、この時期、段々と白鳥の数も減っており、カラスやカモメだらけだった。しかし、その中にも何羽か白鳥は紛れており、エサを与えている家族連れの様子を見ているうちに、ほのぼのとした気分になっていった。

 そして、そこからまた中町方面へ向かう。途中、山居倉庫前を通り、奉行所跡などを見ながら、中町の『舞娘茶屋 相馬樓』に行った。ここでもやはり雛人形が飾ってあった。立派な人形、変わった人形たち、また、新潟県佐渡在住の自由奔放な書画・戯句の創作で知られている『泉 椿魚(いずみ ちんぎょ)』がフスマに書いた句などに感嘆し、初めて入った『相馬樓』の造りに感動した。

 それから、お土産を買ったりなどしているうちに日も暮れ始め、18時を回った頃、夕食をどうするか考えながらホテル方面へ歩いて行ったが、日曜日は店が閉まっているところが多く、ここはひとまずホテルへ帰ることにした。
 部屋で何気なくテレビを付けると、日本テレビ系列のYBC(山形放送)で、人気バラエティ番組『鉄腕DASH』を放送していた。
 何気なく見ていると、「ソーラーカー 日本一周ひとふで書きの旅」のコーナーでは、ちょうど山形県に突入したところを流しており、つい先ほど行った『スワンパーク』などが画面に映っていた。
 ちょうど酒田に来ているときに、全国ネットのテレビ番組でも酒田の名所を紹介しているという偶然に、何か妙な感覚を覚えた。単なる偶然なのだが、単純にそう思えないような感慨深いものを感じた。

 その夜は結局、近所に買い出しに行き、軽く食事を済ませただけで、あまり酒田っぽい味を堪能できなかったが、日中、十分に酒田を満喫できたので、とくに思い残すものもなかった。

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