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 山の木々に積もる雪や、渓谷を流れる川を見て「美しい」と素直に感動できる自分がいることに少し驚いた。それと同時に、そう思える自分が少し嬉しくもあった。

 そこに車内販売の女性がワゴンを押してやってきた。制服に身を包み、背が高く、雪のように白い肌をした、なかなかの美人だ。
 寝起きで少しノドが渇いたので、ホットコーヒーを買ってみる。車内販売で売っている商品は当然、普通に店で買うよりも割高だ。ここでもコーヒー一杯が300円もした。普段からコーヒーなどあまり飲まないので、こんな高いコーヒーなど絶対に買うことはないのだが、旅行中でもない限り、まず買うことはないだろうと思ってのことだっだ。

 熱いコーヒーを飲みながら雪の積もった山々、木々を見る。有機栽培で作った豆が売りというコーヒーは、柔らかい飲み口とかすかな苦み、口中にあるときよりも飲み下した後に広がるほのかな豆の香りが何とも言えない。
 コーヒーの旨さと景色の素晴らしさを体一杯に感じ、「なんと贅沢な旅だろう」と感慨にふけった。この感覚を味わえるのなら、300円のコーヒーも安いものだ。

 この景色を写真に残そうとデジカメを取り出そうとしたが、家に忘れてしまったことに気付いた。残念だ…。非常に残念だ…。しかし、確かに残念ではあったが、そんな気持ちなど一瞬にして吹き飛んでしまうほど、目の前の壮大な風景が一枚の写真のように、ハッキリと記憶に刻み込まれる。
 「なんと気持ちのよい朝だろうか!」「きっと今日は良い旅となるに違いない!!」と確信した。この気分を体感できるだけでも、早起きした甲斐があったというものだ。

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