これは以前から思っていたことだが、歌を歌うには、少なからず“演技力”というのが必要なのではないだろうか。
自分の言葉、自分の体験ではない内容を綴った歌詞ならば、それを何度も読み、内容を理解し、あたかも自分で体験したかのように演技をして、それを言葉に乗せて歌うことによって、表現力も高まり、感情も込もるようになる。
結局は自分の言葉で無い限り説得力には欠けるのだが、少なくとも今よりもっと良くなるはずだ。
厳しいことを言うが、デビューコンサートの頃と比べても、とても上達したとは言い難い。むしろ、必死さが伝わってくるだけに、デビュー時の方が良かったとも言える。
もちろん今は今の良さもあるのだが、「歌う」ということに慣れてしまっているだけのように感じられたのが残念でならない。
また、MCで「緊張している」を連発していたが、確かに「寒鱈まつり」には特別な想いがあると言っていたので、緊張するのは仕方がない。しかし、もっと別のところ、別の理由で緊張するようになってほしい。
緊張するのには様々な要素が加味されるが、「寒鱈だから…」ということが主な理由なのではなく、「この歌をうまく表現できるだろうか」「観客に気持ちが伝わるのだろうか」といった理由がメインになってくれば、単に“アイドル”というだけではなく、“歌い手”としてもレベルが上がったと言えるのではないか。
S.H.I.P結成から2年以上が経つが、少なくとも“プロ”の看板を掲げているグループが、未だにそのレベルでいいのかどうか考えどころである。自分たちの目標、自分たちの目指しているものをもう一度よく考え、初心を忘れず、目線を高く持って活動してほしい。
そろそろ次の段階へステップアップする時期に差し掛かっているのではないだろうか。
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