第一部が終了し、15分間の休憩に入った。
そそくさと客席の前の方に行き、この時点での観客の入り具合を見てみた。どうやら7割弱くらいは入っていたようだ。これだけの人数を前にして歌うことなど、普段のイベントではあまりないだろうから、S.H.I.Pとしては緊張もするだろうし、逆に気合いが入るところでもあっただろう。
そんなことを考えながら席に戻り、ボンヤリとステージを眺めていると、酒吹の人たちが何やら準備をしていた。また、舞台袖からは、Tシャツに着替えた酒吹メンバーが顔を覗かせていた。そして、やにわに楽器を持った人たちがゾロゾロと出て来るではないか。「もしやこれは!?」と期待しつつ見ていると、楽器のセッティングが終わった後に続き、S.H.I.Pメンバーが登場した。どうやらセッションをするらしい。今回はこれを楽しみにしていただけに、この時点でもかなり嬉しかった。
何故、これほど酒吹とS.H.I.Pのコラボレートを期待していたかと言えば、S.H.I.Pとのセッションが酒田で活躍するミュージシャンに、何かしらの影響を与えることができるかも知れない、と考えていたからだ。
兎にも角にも始まらないことには仕方がない。ジーッとステージを見つめていた。その時、フッと横を見てみると、先ほど眠っていた青年はおらず、どうやら前の方に移動したようだった。「やはりSHIPファンだったか…」と改めて気落ちしてしまった。
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