20時を過ぎた頃、ホテルを出て中町へ。
夜の中町を徘徊するのは何年ぶりだろうか。昼間は店の多さに驚いたが、夜は夜で、閉店している店の多さに驚いた。全店舗中の半分くらいは営業していないようだった。そして、昼に見たときには「この店も廃業しているんだろうな…」と思われるほど外観が薄汚れている店が、以外にも営業しているのを見て、これまた驚いた。
日本大学文理学部教授の仲川秀樹先生が発行した、『2003年フィールドワーク研究報告書』で、学生たちが「うす暗く汚れた店には入りたくない」と言っていた通りの印象を受けた。確かにこれでは常連でなければ入りにくい。
そんなことを思いながらも、かつてよく行った居酒屋が、まだ営業している様子を見ると、やはり嬉しかった。
昔よく行った店など数件程度しかないなのだが、そのうちのひとつが、どうやら無くなっているようで残念に思った。
『パイレーツビル』というビルの3階にあった『HUNDRED BOX』という店で、かつてはドラム缶に鉄板を乗せたテーブルに黒いスツールという味のある組み合わせのテーブル席が4〜5個と、カウンター10席程度しかなかったショットバーだった。あの渋い雰囲気がよく、バイト仲間とよく一緒に行ったものだが、東京に住むようになって何年後かに久しぶりに行ったときは、内装はすっかり変わっており、テーブルやイスも小綺麗なものになっていた。
そして現在は、外から見ても何のお店か全く分からず、店名は梵字(と思われる)で書いてあり、すっかり謎のお店に変貌していた。これはへたなスナックよりも入りづらい。実際、とても入る気にはなれなかった…。
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